エタノール添加の酒は発酵食品ではない
項目 | 発酵食品としての価値 | 腸内菌への影響 | 健康面の評価 |
---|---|---|---|
純米酒(伝統製法) | 高い(麹菌+酵母) | 善玉菌をサポート | 適量なら◎ |
麹甘酒 | 非常に高い(菌が生きてる) | 善玉菌のエサになる | ◎ |
醸造アルコール添加酒 | ほぼ無し(無菌) | 善玉菌も減らす恐れ | △または× |
合成甘酒・清涼飲料 | 添加物次第 | 腸内環境に影響少ないが菌も無い |
● エタノール(アルコール)は、
強い殺菌力を持つため、腸内の善玉菌にも影響を与える可能性があります。
特に以下のような条件下では、体内環境を悪化させるリスクが高くなります。
▶️ アルコールの抗菌作用と腸内環境への影響
1. 【アルコールは殺菌剤】
エタノールは濃度70%前後で最も殺菌力を発揮し、病院や医療現場でも消毒薬として使用されているほどです。
たとえ飲料用のアルコールが5〜15%程度であっても、長期的・多量に摂取すれば、以下のような影響が出てきます。
- 腸内細菌のバランスが崩れる
- 特に乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が減少しやすい
- 結果として、悪玉菌(ウェルシュ菌など)の優勢に傾きやすくなる
2. 【エタノールには「抗生物質的」な一面がある】
「抗生物質」とは、特定の菌を殺す物質ですが、エタノールはそれに近い広範囲な殺菌作用を持ちます。
そのため、腸内の善玉菌も悪玉菌も一緒くたに減らすリスクがあります。
3. 【「菌のいないお酒」は、発酵食品ではない】
発酵食品の価値は「生きた菌を取り込むこと」にあります。
麹菌や乳酸菌などの善玉菌は、
- 腸内で善玉菌のエサになる
- 免疫系を刺激し活性化する
- 酵素を補い代謝を助ける
などの働きをしますが、無菌で工業的なアルコール飲料にはそのような効果はありません。
▶️ 特に注意が必要なケース
- 日常的にストレスが多い方:ストレスによる腸内環境の悪化とアルコールの影響が重なり、腸内フローラが乱れやすくなります。
- 抗生物質を服用している方:すでに腸内菌が弱っている中でアルコールを摂ると、さらなる悪化を招くことも。
- 慢性的な便秘や下痢がある方:腸内バランスが崩れているサインです。アルコールはさらに刺激を与える可能性があります。
✅ じゃあ、体に良い「お酒」はあるの?
あります。次のようなものです👇
◎ 昔ながらの「生酛(きもと)仕込み」や「山廃仕込み」の純米酒
→ 麹菌や乳酸菌の力を借りて自然に発酵させた日本酒で、発酵食品としての価値が高いです。
◎ ノンアルコールの「麹甘酒」や「発酵飲料」
→ 生きた麹菌や酵素が豊富で、腸内フローラ改善や疲労回復にも効果的です。