五葷(ごくん)はもともと肉や魚の匂い消しとしての役割もあるほどなので、香りや刺激があまりにも強いことが特徴としてあります。
そのため、肉や魚を食べないヴィーガンの方が、ネギやニンニクなどの五葷(ごくん)をたくさん食べてしまうと胃腸に不調をきたすことがあるといわれています。
実際に、古来より中国に伝わる自然哲学には、
- 『ネギを食べると腎臓を傷める』
- 『ニンニクを食べると心臓を傷める』
- 『ニラを食べると肝臓を傷める』
- 『ラッキョウを食べると脾臓を傷める』
- 『あさつきを食べると肺臓を傷める』
ということが言われています。
五行における五葷
古代中国には、自然哲学の五行という考え方があります。
五行とは、森羅万象すべてを「木・火・土・金・水」の5つが持つ特徴や性質に当てはめ、その関係を表したものです。
その五行の中で、五葷という野菜について、人体のバランスに影響を与えるという考えがあります。
五行 | 木 | 火 | 土 | 金 | 水 |
五臓 | 肝 | 心 | 脾 | 肺 | 腎 |
五葷 | 韮 | 蒜 | 薤 | 浅葱 | 葱 |
情志 | 怒 | 喜 | 思 | 悲 | 恐 |
昔の人は、長い年月をかけて、自然と人体を観察して、法則のようなものを見つけ出していたんです。
五葷は活力増進に役立つ!
五葷には、精力を高め、若々しさを保つ効果のある栄養素が含まれています。最近元気が出ない、やる気が起きない、というときには、意識して食事に取り入れるとよいでしょう。
・精力の向上をうながす「セレン」
セレンは、微量栄養素の一つ。テストステロンという、精力に関係するホルモンの産生に関与する栄養素で、たまねぎやねぎに含まれます。
テストステロンの一番の働きは、筋肉をつくること。新たな筋肉組織を作り出し、活力ある体を作りだします。また、集中力を高めたり、やる気を出したりなど、精神的な機能にも関係するホルモンです。
セレンは、サプリメントで摂取しようとすると、過剰摂取になることも多いため、食品から摂取するのをおすすめします。
・老化防止に役立つ「硫化アリル」
五葷である、にら、にんにく、らっきょうなどの臭気の原因成分は、「硫化アリル」です。
この硫化アリルは、抗酸化作用の強い栄養素で、老化や生活習慣病の原因になる活性酵素を取り除く働きがあります。
・五葷の野菜は1日50g〜100g程度に
食べすぎると胃腸に負担をかけたり、口臭の原因になったりする可能性があります。
抗酸化作用によって、人によってはお腹を下すこともあるため、適量の摂取を心がけましょう。
野菜は1日350g程度の摂取が推奨されているので、不足分はほかの野菜で補うといいですね。